ysdyt.net

Aiming at the boundary between digital and analog

婚姻届から始まる県外観光客誘致案 #婚姻stagramプロジェクト

2014/03/02 ysdyt 1 Comment

Pocket

2014年2月22日に島根県松江市で行われた「オープンソースソフトウェア活用ビジネスプランコンテスト」で学生部門 最優秀賞を頂きました。その時の発表スライドを公開します。

松江ビジコン.001

行ってみたいけど行くまでが面倒くさすぎる県

島根県。鳥取県の左側。

メディアには常に「田舎」の代名詞として発信され、高齢化ランキングはずっと1位に君臨し続けていました。「帰宅部がハードだ」という自虐がカレンダーになったりする土地です。

しかし実際には、日本一や世界一の観光名所が結構あったり、世界遺産があったりで観光地としてのポテンシャルも非常に高く美しい町であり、地元愛が強い住民が多いため毎週どこかしらでイベントが行われているという賑やかな町です。県内外のイメージがこんなにもかけ離れている土地も珍しいと思います。

観光に来た人も「やっぱり何もなかったね」と言って帰っていく人はおらず、予想以上の楽しさに満足し、季節によってまた異なった魅力が現れるところに惹かれてリピーターになる人も少なくありません。

しかし、島根を「少子高齢化」「田舎」であり続けさせる圧倒的な原因は物理的な「遠さ」にあります。
新幹線の最寄り駅は岡山で、そこからさらに2時間半かけて特急に乗り換える必要があり、山口・鳥取・広島などの隣県ですら車・電車どちらを使っても結構な時間がかかります。さらに離れた場所ならなおさらです。

「一度 来さえすれば誰もが魅力に気づく」土地でありながら「行くのがかなりメンドウ」なために躊躇される島根県。

本ビジネスプランで提案したことは、この「遠さ」を逆にメリットに変えて観光客を増やすという案です。
ソーシャルビジネスとして多くの人が関与できるプランを目指しました。

10分間の口頭発表を書き起こしたものなのでかなり長いですが、興味のある人だけお読み下さい。感想などは Facebook や twitter に送ってもらえると嬉しいです。

スライドは自己紹介から始まりますがここでは割愛。Bioを参照して下さい。

 

1. プランの背景と問題共有
島根県は全国3位の「高齢化」県であり「過疎先進県」と言われます(ちなみに平成21年まで35年連続で全国第1位でした)。

島根にパソコンなんてあるわけないじゃん」のネタワードと共に「田舎の代名詞」として他県民に知られますが、実際は非常にポテンシャルの高い土地です。

4.004 松江ビジコン.005

地元で生まれ、地元で育った人も多く、故郷を盛り上げようと島根の西から東まで、さまざまな町で個人から民間・行政のすべてのレベルでまちづくり活動が自主的に行われている元気な地方です。最近ではクラウドファンディングのFAAVOも島根県行政とタッグを組み、それらの活動をバックアップしています。

島根大学の学生は7割が県外生であり、卒業時に7割が県外に就職するそうです。このように、他県から移住する若者も少なく、高齢化が進んでいますが、県内人は「一度来れば島根の魅力が分かる」と言います。しかし、その「一度」が難しい

日本人の多くが思う「島根にはいつか行っていたい、出雲大社いきたい」の「いつか」はなかなか来ないのが現実です。

島根への観光を困難にする大きな理由をあげてみました。
中でも特に「県外からの交通の便」「他県への宣伝力不足」が致命的だと思われます。

松江ビジコン.006

「県外からの交通の便」問題に関して。
最近めでたく「スタバ有り県」に加盟した島根ですが、松江駅の第一号店ができる前は「島根県の最寄りスタバは羽田空港」だったそうです。
つまり隣県の山口・広島に行くより東京に飛ぶほうが早い。それくらい他県からのアクセスに障壁のある土地とも言えます。

島根県にもっと人を呼びこむためには、こういった物理的なハードルを超えてでも「島根に行きたい!」と思わせる強力なコンテンツが必要です。「いつか行きたい」と思ってくれている人がたくさんいる。しかしそれが達成できていない。本当に観光者を増やしたいなら、真っ先に取り組みべき課題・解決すべき問題は何を差し置いてもこの「アクセスの問題」なのです。

 

紙媒体 > ウェブ では素敵な活動も県外に届かない

「他県への宣伝力不足」にも課題が残っています。

島根には西から東までさまざまな観光ポイントやそれを推進する魅力的な自治体・NPO・コミュニティーが存在しますが、個々がアピールするために、逆に県外から見た人は選択肢を絞ることに煩わしさを感じそうです。

松江ビジコン.007

松江ビジコン.008

また、それらコミュニティーが情報発信する手段は圧倒的に紙媒体が多いです。

無料とは思えない素敵なフリーペーパーが大量に存在しますが、県外まで届けることは実質困難なため県外向け観光者にはウェブでの魅力発信がもっと必要だと思われます。(※しかし、島根県内で見られるたくさんのフリーペーパーは本当にレベルが高くかわいいものが多いのでぜひ一度手に取ってもらいたいです)

 

2. 本プランの目的

「一度来たら分かる」島根の魅力はこういった理由で「わからないまま」なのが現状です。
しかしこの「来たら分かる」というのは決して負け惜しみではなく、本当にその通りだと心から思っています。

松江ビジコン.009

そういうわけで、このプランによって達成する目的は非常にシンプルで、
“とにかく一度でも”島根に来てもらう人を増やすことです。
そして来てもらった人の島根体験をウェブに集め、口コミを広めること。
本プランが行うのはこれだけです。

 

3. 方法
さて、ではどうやって「一度でも島根に呼ぶか」という具体的な方法について。ここでは県外から人を呼ぶための強力なコンテンツとして婚姻届のサービスを提案します。でも、ただの婚姻届ではありません。

理想と現実にギャップがあるところにチャンスがある

Facebook上で、知り合いの「結婚しました・婚姻届提出してきました」報告を目にすることが増えてきました。区役所でカップルが婚姻届を持って笑顔で並んでいる写真です。窓口の職員に写真を撮ってもらっているのでしょうか?

この「婚姻届」ですが、ちょっと不思議な制度です。

松江ビジコン.012

婚姻届を提出する本人たちにとっては、提出の瞬間は人生の中でも最も記念すべき瞬間の一つであり、法的にも「他人」から「夫婦」になる瞬間です。人生で一度だけの価値ある瞬間です。

しかし、現実は「婚姻届」はただの「事務書類」であり、回収され手元には何も残りません。日中仕事があるカップルはもっと悲しく、時間外窓口の警備のおっちゃんに「ほいっ」と回収されて終了。

同じく人生で一度しか無い結婚式やプロポーズの瞬間はたくさんのものが残るのに、夫婦になる瞬間には何も残らない。ここには主観と現実に大きなギャップがあります。

しかし、やはりというか、このギャップを埋める素敵なサービスを展開する自治体があります。

 

「婚姻届」はめちゃくちゃ魅力的で強力なコンテンツである

人口8千人弱の北海道の東川町という小さな自治体では「婚姻届の返却」というユニークな行政サービスを行っています。

松江ビジコン.013

婚姻届が複写式になっており、提出した夫婦に一枚返却してくれるのです。

しかも婚姻届の用紙自体もデザインされており、他の行政の形式張った“書類”ではなく、紙面はかわいいピンク色で、ちょっとした盾のようなものに収納されて返却してもらえます。

盾には写真を入れることができ、また、封をすることで、10年後の記念日や二人に離婚の危機が訪れた時に開封できるタイムカプセルのようにも使うことができるそうです。

じつは、婚姻届は自身が住む自治体だけではなく、旅行先のような全く縁もゆかりも無い土地でも提出することが可能です(この事実を知っている人は多くないハズ)。

他の自治体で提出しても後で面倒臭いことが起こることも特に無く、住んでいる自治体で提出するのと手間は変わらないそうです(ただし、提出時には現住所を示す住民票などの書類が必要になる)。

2013年12月に発売された結婚情報誌ゼクシィには実際に行政に提出できる「ピンクの婚姻届」を雑誌の「付録」として販売し話題になりました。

用紙のデザインを変更できるということもさながら、「商業誌のおまけ」として販売もできるということで、『婚姻届』というのは意外に自由度が高かったりするのでしょうか。この辺もルールとしてどうなっているか気になります。

際立った観光名所を持たない東川町ですが、この婚姻届を目当てに本州からもカップルが訪れ、提出のついでに町を旅行していくことで観光客増加の目玉ともなっているそうです。
賢すぎる。

この「新しい婚姻届」の存在と、「実はどこで提出しても良い」というルールを知った時は本当に感動しました。

この婚姻届の仕組みを「ご縁の国 しまね」でも是非やりたい。

婚姻届を出しに来た人を観光に繋げたいという下心もありますが、それと同じくらいこの東川町の婚姻届の話を聞いた時に「これこそ島根でやったらいいのに!」と直感しました。

出雲大社や八重垣神社など「縁結び」を土地の文化として育ててきた島根県。
「他人」が「夫婦」になる瞬間。それこそまさに「ご縁」の一つの集大成であると感じたからです。

松江ビジコン.014

 

しかし、いざ「新しい婚姻届」のサービスを実行できても、ただやるだけではうまくいきません。
この素敵な制度を一過的なブームで終わらせないためにもマネージメントが必要です。

松江ビジコン.015

魅力的な土地を作るために、まちづくり論でよく言われるのは、

  1. 交流人口を増やす(県外からの人口流入を増やす)
  2. ファンを増やす
  3. 口コミ・拡散
  4. サポート

を何回もトライ&エラーしながら回していくしかないということです。

 

①交流人口を増やす(県外からの人口流入を増やす)

松江ビジコン.016

島根県版の新しい婚姻届を用意することで県外から人を引っ張ってきます。

人生の一大記念である婚姻届を「返却してくれる」、「手元に残る」サービスは非常に魅力的であり、県外のカップルでもわざわざ島根まで提出しに来てくれるニーズは一定数存在すると思われます。

「婚姻届を出すカップルが対象って、少なすぎないか?」と思いきや、
厚生労働省人口動態調査(2012)による「婚姻件数」を見てみると、島根県だけで毎年3千件、全国で見ると毎年67万件もの婚姻届が提出されているそうです。このプランのメインターゲットが毎年全国に67万組いるとすると決して少なくない数です。

松江ビジコン.027

また「他の行政ですでに行われていることを真似して意味があるのか」という疑問もあります。
「返却してくれる婚姻届」のサービスを行う行政は、元祖 北海道東川町の他に静岡県沼津市などでも類似のサービスが行われているそうです。

しかし、他のどの県でもなく「島根だからこそ」この婚姻届のサービスをやるべきだと思っています。

それは、島根の「縁結び」というこの土地オリジナルのブランドとストーリーが「婚姻届」と非常に親和性が高いからです。

県内では古事記を元にした縁結びブランドをうまくビジネスと結びつけている例はたくさんあり、お箸まで多岐に渡ります。「婚姻」もまさに一つの縁の集大成であり、この島根版婚姻届サービスと島根の縁結びブランドのマッチングの高さは他県には無い圧倒的な強みです。

「面倒臭いことをわざわざする」事は特別感を演出する

そしてもう一つの大きな「島根だからこそ」の価値。それは「わざわざ遠い島根にまで行って婚姻届を出す」という、「物理的なアクセスの不便さ」が逆に特別感の演出になるという点です。

島根へ足を伸ばすための一番のハードルが逆に有利に働くという点でもこれまで行われた観光誘致策とは異なる大きな価値です。

 

『ググれないものは存在しないのと同じ』

この島根版 婚姻届の存在とその利用者の声をもっと県外の人に広めるためには紙媒体よりもウェブが絶対に必要です。

「観測できないものは存在しないのと同じ」という考えが物理学にありますが、今の時代では「ググってもヒットしないものは存在しないのと同じ」です。ウェブ上に情報がないものは存在しないのと等しくなってきています。

行政が行うユニークなサービスはその手のニッチな面白い話を特集する雑誌には掲載される事がありますが、ウェブ上の情報が不足しています。

東川町の婚姻届に関してもウェブ上で見つけられる記事は非常に限られており、詳細な用紙のデザインやそのような素晴らしいサービスを始めた行政の人の想い、実際にサービスを利用した人の数、利用者の声などをほとんど見つけられませんでした(自分のgoogle詠唱力が低いだけなら申し訳ありません)。なんだか非常にもったいない。

 

②ファンを増やす ③口コミ・拡散

この部分を達成するために、サンプルサイトとして『#婚姻stagram』というwebページを作ります。

松江ビジコン.018(写真は Instagram API のハッシュタグ「#婚姻届」から一括取得したものです)

#婚姻stagramとはひたすら『婚姻届を提出したカップルの幸せそうな写真』を集積し、眺める写真サイトです。非常にシンプルなwebページです。

このページを作る意義は

  • 行政による新しい婚姻届というユニークな取り組みの宣伝
  • SNSへのシェアによる口コミの起点

を達成することであり、見てるこっちもちょっと幸せな気分になる、という副次的な効果もあります(個人差あり)。

#婚姻stagramの細かなUIを説明すると、別途に写真のアップローダーを用意することでカップルごとに簡単なミニアルバムを作れるようにしようと思っています。
カップルの写真にマウスオーバーするとアップロードされた写真が一定時間で切り替わっていきパラパラ漫画のように閲覧することができます。例えば、二人が付き合いだしてから婚姻届を提出するまでの思い出の写真を時系列に表示できれば素敵だなと思っています(結婚式や卒業式のときに流される思い出写真のようなものがweb上で作製・閲覧できるようにしたい。個人的には、時系列に並んだ写真ってなんだかグッとくるんですよね)。

投稿してもらった写真をコラージュアートのように並べて出雲大社の絵をパズルのように埋めていく、というのも面白いかもしれません。とにかくどんな形でも「ウェブ上に情報を出す」というのは非常に大切なポイントです。

松江ビジコン.033

 

婚姻届を提出した時にどうやって窓口で写真を撮るかというと、本当は行政の窓口にプリクラを置きたいと思っています。絶対そんな行政ほかにないので、あったら逆に素敵すぎます。

松江ビジコン.020

しかしこれは現実的ではないのでただのジョークですが(プリクラ機は中古でも300万くらいするらしい)、代わりに市役所の一角に 「#婚姻stagram撮影コーナー」を設けたいと思っています。

松江ビジコン.021

撮影に使う機材には立派な特注カメラやモニター(スライド左上の画像参照)を用意する必要はなく、観光地に置かれているセルフシャッター用のカメラ台と、iPadのようなタブレットで良いと思っています。

例えば、
婚姻届を返却してもらったカップルは #婚姻stagaram撮影コーナーに行き、撮影台にセットされたカメラのセルフシャッターで写真を撮ります。

撮った写真はEye-Fi経由でタブレットに転送されそこで確認します。プリクラのように落書きなども出来ると良いかもしれません。気に入った写真を決定し、facebookなどのアカウントでシステムにログイン認証してもらい、その写真を「SNSにシェア」「#婚姻stagramにシェア」を選択し共有できるようになります。

アップロードする写真のプライバシーなどに関してもシェアする段階で同意を取ります(シェアされた写真が問題になっても島根県行政は一切関与しません、的な)。

 

④サポート

サポートの一つとして、オープンデータが活用できそうです。

松江ビジコン.023

そもそも、観光客を含めた一般市民は「どこで婚姻届を提出できるか」よく知りません。

婚姻届提出というせっかくのメモリアルなイベントに、できれば行政のウェブページを見てリスト形式に無味に並べられた「提出窓口一覧」は見たくないし、具体的な場所をマップで調べ直さないといけないので煩わしい。

そこで、松江市ですでに制作されているソーシャルネットワークマップの上に「婚姻届窓口(のある市役所)」の場所をマッピングします。

さらに、近隣の観光名所などを一緒にマッピングしておくことで、婚姻届受付処理に時間がかかる場合に「じゃあ近くの場所ウロウロしてみようか」となり観光に誘導できるかもしれません。

 

4. プランのまとめ

ここまでの話を整理すると、この 『#婚姻stagramプロジェクト』で達成したいことは県外の人に「とにかく一度でも島根に来てもらう」ことです。それ以外はやりません。

松江ビジコン.024

それを達成するための道具として「島根版 婚姻届」と「#婚姻stagram」を作ります。

「島根版 婚姻届」は、県外から人を呼びこむ強力なコンテンツとして、
「#婚姻stagram」は、行政が“手元に残る婚姻届サービス”を行っていることをウェブ上で広く宣伝することを目的としています。

このプロジェクトによって、「初めて島根に来て観光した人」を増やし、それをきっかけに島根の魅力に気づいてもらう。さらに、周囲の人に口コミしてもらうことでさらなる観光へのきっかけを作るという良いループが生まれれば良いですね。

 

5. ビジネスプランとしての補足情報

ターゲット層について

松江ビジコン.030

このプランのターゲット層は明確で、ターゲットには以下の様な特徴があります。

  • 20代~30代の若いカップル
  • PC・スマフォの利用は当たり前
  • 平日の市役所営業時間内に必ず一度は市役所に立ち寄る
  • 初めて島根旅行?
  • ハネムーン気分で財布の紐は緩め。記念になることがしたい!
  • 数年以内に子どもが生まれる可能性高い
  • 定住/子育ての場所を探してるかも

 

ターゲット層はデジタルネイティブと呼ばれる年代であり、口コミ情報の発信者であり、受信者です。

観光場所選択の参考には、紙媒体よりもSNS上の友人の口コミ・個人ブログなどの評判に大きな影響を受けています。だからこそ、#婚姻stagramのようなウェブサイトによる告知は有効なはずです。ネット利用は当たり前な世代なので、ウェブ使用前提に企画を立てられるのは意外に大きなポイントです。

松江ビジコン.031

また、婚姻届を提出するために必ず一度は滞在中に行政の窓口に訪れます。これまで県外まで届けられていなかった良質なフリーペーパーなどを窓口でポスティングすることで観光地やイベントを宣伝することもできます。「特定の場所を一度は通過する」というのも何か有効活用できそうなポイントです。

近い将来に子どもが生まれること、婚姻届提出を機に家族としてワークライフバランスを考えた上で島根に定住することに惹かれる人もいるかもしれない。そのようなカップルに島根での定住のしやすさ・子育てのしやすさなどを提案するのもアリかもしれません。

とにかく、これまで年齢・性別・国籍などバラバラで想定が困難だった「観光者」という層が、このプランのターゲットにおいては非常に明確であり、ここから何かしらの新しい派生ビジネスやイベントが生まれる可能性は高いと思われる。

 

コスト

婚姻届を扱うことからも、ここまでのプランを実行するには行政の方の協力が不可欠です。

実際にこのプランを実行しようとした時に、行政にかかる金銭コスト・人的コストの項目は大まかには以下です。

  • 現行の婚姻届のデザイン一新
  • #婚姻stagaram撮影コーナーの設備一式と管理システム
  • #婚姻stagramに不適切な画像がアップロードされた際の削除作業

決して安い金額ではありませんが、以下に述べる収益性と比較した時には十分に実行する価値があると思えます。

 

収益性

松江ビジコン.026

第一の収益は、観光者(婚姻届提出者)が増えることで島根県にお金が落ちることです。

先に述べた通り、婚姻届の提出件数は毎年全国で67万件あります。島根県内だけの提出数は毎年約3千件(全国で2番目の少なさ)であり、これは67万件でいうと0.5%分にあたります。

全国から、県内提出数3千件に相当する0.5%分を引っ張ってくることが出来れば、仮に、1カップルが4万円観光に使うと、1億2千万円が島根県に落ちることになり、少なくないお金が回ることになる。

さらに、この中から島根への定住者が現れたりすると、長い目で見た時に大きな利益となります。

#婚姻stagramプロジェクトはソーシャルビジネスのためのプラットフォームに成り得る

そして、ぜひ収益の一つとして考慮して欲しいのが、このプロジェクトを通して「コラボレーションによるビジネスの創出」が起こせる点です。

松江ビジコン.028

先に示した通り、このプランによって集められるターゲット層の特徴が非常に明確であることから、以下の様な「ターゲット層を明確にした軸を振らさない」企画が考えられそうです。

  • ゼクシィやブライダル業界とのコラボレーション
  • “女子旅” 観光客へのリーチ
  • 新しい”婚姻届”のデザインコンペ
  • 観光ビジネスアイデアソン
  • 地域のお店との連携
  • 観光客に県内産品を“ふるさと納税”で購入してもらう仕組み作り

 

ゼクシィのようなブライダル雑誌で「婚姻届は島根で!」というような特集ページを出すことで比較的簡単にターゲット層に告知でき、「出雲大社で神前結婚式をあげる」ことなどにも繋がれば素敵です(出雲大社での挙式が思ったより高くなくてちょっとびっくりした)。

最近では、週末を利用して縁結び祈願として関西・関東方面から「女子旅」を楽しむ女性が増えてきているそうで、そういった人たちも巻き込んで何かできないかなあとも考えています。

例えば、アメリカでは結婚を控えた男性が独身最後の夜を仲間たちと楽しむ「バチェラーパーティー」という文化があって、ストリッパーを呼んだり夜通し飲み明かしたりする。面白い文化だなあと思うのだけど、これの女子旅版みたいなものがあったら良いなあと思います。独身最後の旅に女子会で盛り上がろう!みたいな。

他には、市民やデザイナーなどから島根版 婚姻届として新しい用紙のデザインを投票によって決定するコンペを開くと盛り上がりそうです。

また、婚姻届を提出しに県外から集まったカップルをどのようにうまく観光地に誘導するかを考える観光ビジネスアイデアソンを開くなど、地元住民と共に考え、創り、島根をさらに盛り上げる「参加者」として巻き込んでいけたらと思います。

地域で活動するすべての人と共創するプロジェクトへ

このプロジェクトが県外から人を集めるプラットフォームとして機能し、その上でいろいろな人が新しいイベントを企画したり、現在おこなっている活動をさらに活かす手助けになれれば最高に素敵です。

松江ビジコン.029

最後に。

このプランはいろんな人の脳みそをミックスして発表にこぎ着けました。謝辞。
何か思いつくたびにいつもノリノリでアイデアのブラッシュアップに付き合ってくれる島根の賢人達 ソーくんリクおづおづ、 初対面にも関わらずたくさんの秀逸なアドバイスをくださったNPO法人てごねっと石見の三浦さん、インドで修行中の起業家 Goくん、プレゼン用の赤裸々な夫婦写真をたくさん提供してくれた同級生の千春さん 、慶應のラボで隣席のスーパープログラマー板谷くん、正月明けからいろいろ話を聞いてくれた永遠の地元フレンズ Aokiノディー賢ちゃん。ありがとうございました!心配して前日に激励のメールをくれたゼンショーもありがとう!発表前日にインフルエンザにかかり泣く泣く参加できなかった去年のビジコンから、最終発表会まで見守ってくれた彼女にはSpecial Thanksを。

 

感想・コメントなどを Facebooktwitter に送ってもらえると嬉しいです!

 

<追記>
アメリカ留学中に知り合った韓国の友人(女性)からこのエントリーを読んで以下のコメントをもらいました。彼女にはアメリカ人のフィアンセがおり、二人ともそれぞれの外国籍を持っていますが日本に暮らす予定なのだそうです(彼女は日本人以上に日本語が上手で以下のコメントも彼女の直筆です。そのまま掲載します)

婚姻届を向かっている私には非常に興味の湧く内容でした。
確かに、婚姻届は有意義なイベントですし、スペシャルになってほしいです。
ただの旅行ではなく特別な婚姻届ができるのであれば
「行ってみようか」だけではなく「絶対行く!」になっちゃいますね。

早く実行されたら嬉しいアイデアです。

気になるのは。。。
私も私の婚約者も外国籍を持っていて、
婚姻届の手続きなど普通のとは違うと思います。
私たちのように二人とも日本滞在中で、日本国籍ではない場合にも
このようなスペシャルイベントを楽しめるでしょうかね。

ただ個人的なイベントとして「やりたい」と思っている訳ではなく
スペシャル国際結婚をサポートする過程で
島根県に少しでも多様性を与える機会になると思います。

日本に滞在している外国人の観光客を誘うのにも役に立つと思いますし:D

自分の足りない日本語の実力で
言いたいこと全部は伝えられなかったかもしれないですが
このプロジェクトが早く実行され、
Facebookを含め、様々なSNSで幸せなカップルの写真を見たいです。
カップルの幸せな顔を見るだけで、島根に行きたくなりそうですね!

彼女にこのコメントをもらってハッと思い出したのですが、島根には外国人が好みそうな建造物や古事記に登場する舞台が数多く存在する土地にも関わらず、島根への観光者全体に占める外国人観光客はびっくりするほど少ないそうです。

スクリーンショット 2014-03-03 0.19.36

スクリーンショット 2014-03-03 1.19.37

 

平成23年度の1年間での島根における外国人宿泊者数は約2万人。全国で最も少ないクラスに入っています。しかし、この数でさえ一日換算すると約56人となり(20000人/12ヶ月/30日)、島根に4年間住んだ体感としては「そんなに外国人見たかなあ」という感じです。統計値よりもっと少ない気がします。

スクリーンショット 2014-03-03 0.20.15

データ取得期間は変わりますが、平成25年の7月〜9月までの島根での宿泊者数全体の構成比を見ると、県内観光宿泊者が22%、県外観光宿泊者が77%、外国人宿泊者が1%です。比較として東京は県内55%、県外26%、外国人19%です。

さすがに東京の外国人宿泊者比率は19%と飛び抜けて高いですが、それでも島根の値は全国平均の7%と比較してもさらに小さいです。

外国人向け観光案内板の設置など言語の違いをカバーするハード面での設備不足が第一の問題かもしれませんが、外国人を呼ぶためのコンテンツとして海外(日本の文化的な地)で体験できる結婚や婚姻をテーマとしてコンテンツがあったら魅力的かもしれません。日本人でも海外でのハネムーン旅行でそういったイベントがあったらちょっと行ってみたくなりますよね。

 

参考

 

Pocket

Previous Post

Next Post