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だれでも利用できる、全国のユニークな婚姻届をまとめてみた

2014/10/05 ysdyt 2 Comments

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 write 2014/10/5
追記 2014/12/8
追記 2015/12/13

2015/12/13 NEW!
島根県の「石州和紙」を使った自作婚姻届を作成しました!
→ ご縁の国の”1000年保つ”和紙婚姻届を作りました

婚姻届

日本では年間で67万件(2012年度)提出されている婚姻届ですが、あまり知られていない意外な事実があります。

  • 自分の住民票がある役所以外でも提出ができる
  • 婚姻届を発行してもらった役場以外で提出も可能
  • (フォーマットを守れば)ある程度デザインが可能

 

つまり、婚姻届は縁もゆかりもない土地、なんなら初めて旅行で訪れた土地の役所にフラッと立ち寄って提出することもできるということです(その場合は身元証明のために戸籍謄本の提出が求められるそうですが。)自分が住んでいる市区町村役場でないとダメ、という決まりはないらしいですね。

また、全国どこの役所でも婚姻届のフォーマットは統一されているので、(A県)B市で受け取った婚姻届を(C県)D市の役場で提出することも可能らしいです。そして、所定のフォーマットを崩さなければ婚姻届のデザインを変更することも可能とのこと(例: 要旨や枠の色をピンクにする。記入欄外にキャラクターの絵を配置するなど)

 

通常、窓口に提出すれば二度と返ってこない婚姻届ですが、そういった意外な点に目をつけた自治体や企業が地元発信や観光促進・キャンペーンのためにアイデアを凝らした婚姻届を作成し提供しています。自治体的には地方の役所に婚姻届を提出するついでに旅行もしてもらえると地元にお金が落ちるので ”魅力的な婚姻届” は観光推進の武器になるんですね。賢いなぁ

そんなわけで個人的にインパクトを受けたユニークな婚姻届をまとめてみました。一応サービス開始日の時系列になっています。

すでに提供が終わってしまったサービスもありますが、基本的には誰でも(どこに住んでいても!)利用できます。これから婚姻届を出そうとしている人はこの機会にこういったユニークな婚姻届を選ぶと素敵な記念になるのでは。

役所でもらえる一般的な婚姻届。人生の中でもトップレベルに重要な書類であるが特別感は全くない。茶色っぽい感じでまさに”書類”という感じ。

 

1. 手元に残る北海道上川郡東川町の『複写式婚姻届』

個人的に最もインパクトがあった婚姻届。なんと婚姻届が複写式になっており一枚は窓口に提出し一枚は手元に残しておけるというデザインになっています。「提出したら返ってこない」という常識を覆した婚姻届。そんなのアリ?とも思いますが法務局から許可ももらっているそうです。ありそうでなかったもので目からウロコ。

大切なその瞬間が形に残る「新・婚姻届」 – 北海道上川郡東川町ホームページ
http://town.higashikawa.hokkaido.jp/jp/topics/konintodoke/

あ

東川町の複写式婚姻届。フォーマットの枠もかわいいピンク色(ただしこちらの用紙は行政に提出し返ってこない)

  • 2005年10月3日スタート
  • 直筆の一枚目は行政に提出し、控えの二枚目を持ち帰ることができる
  •  用紙には厚紙で出来たカバーが付いており、内部に写真などを入れてアルバムのように保存することも出来る
  • フジテレビで放送されていたデザインをテーマにした番組で取り上げられた企画を実現させたもの。デザインは藤本やすし氏によるもの
  • 婚姻届の受け取り・提出は窓口での手渡し限定となっている(郵送などはしない)。直接窓口に来てもらうことをきっかけに東川町の宣伝や観光へ繋げている
複写

ノンカーボンの複写式になっている。一枚目は切り取って行政に提出し、二枚目の方を返却してもらえる。

あ

表紙の厚紙部分がポケットになっており写真やメッセージカードを入れて封をすることができる。タイムカプセルのように使うと面白そう。

 

東川町のこの婚姻届を提出するために町外からだけでなく本州からもカップルがくるそうです。東川町役場は旭山動物園から車で20分の距離ということもあり観光のついでに立ち寄って提出するのかもしれないですね。

改めて考えてみると、婚姻届が受理された瞬間は法的に他人から夫婦となるメモリアルな瞬間です。そんな人生の一大イベントにもかかわらず手元には何も残らないというのも改めて考えると味気ない話だとも思います。「普通そんなもんでしょ」という固定概念に縛られていることに気付かされます。

このユニークな婚姻届だけではなく、東川町では他にも「ひがしかわ株主制度」「君の椅子」「写真甲子園」など行政が積極的に地元とコラボレーションしさまざまな取り組みが進められ話題になっている土地でもあります。なんというか…すごくやり手の自治体っぽい。

 

ちなみに、2014年4月1日から北海道網走郡美幌(びぼろ)町でも東川町と同様に複写式の婚姻届が提供されています。同様というか丸かb(略

美幌町”ちょっとかわいい”新♥婚姻届 – 美幌町ホームページ
http://www.town.bihoro.hokkaido.jp/docs/2014033100024/

美幌

美幌町も北海道の僻地に位置する行政的に難しそうな土地。

 

2. 元祖萌え証明書? 長野県諏訪市の『結婚証』

婚姻届を提出するとその証明として「婚姻届受理証明書」というものが請求可能となります。これに目をつけた諏訪市は、この婚姻届証明書にオリジナルデザインを施してプレゼントするサービスを行っています。そしてこの証明書に”ご当地キャラクター”を載せたことが一部熱狂的なファンの間で話題になりました。

「結婚証」を発行しています – 長野県諏訪市公式ホームページ
http://www.city.suwa.lg.jp/www/info/detail.jsp?id=4598

長野県諏訪市の結婚証がエグすぎると話題! – NAVERまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2135461801091928301

あ

ご当地キャラクター「諏訪姫」のモデルは武田信玄最愛の妻として実在した「諏訪御料人」

  • 2012年10月1日スタート
  • 諏訪市の特色を盛り込んだオリジナル「婚姻届受理証明書」「結婚証」を作成。諏訪市に婚姻届を提出すると請求可能となる。
  • 証明書デザインには諏訪市の景色や萌えキャラ(”諏訪姫”という公式ご当地キャラクター)を採用。これがネットで話題に。

 

「婚姻届受理証明書」は通常の行政書類となるため請求には1,400円の発行料が必要です。またこの書類を請求できる人は『夫婦のいずれかがすでに諏訪市内に住民登録している方、またはこれから住民登録する予定の方』という制限があります。これだと受け取れる人がかなり限られてしまうわけです。

そこで、”記念品”という形で婚姻届提出者なら誰にでも無料で提供できる諏訪市独自の「結婚証」を作成しました。”結婚証の発行に関する事務取扱要綱“なるものまで作成し、婚姻届受理証明書発行とは法的に住み分けを行うことで発行までこぎつけられているとのこと。なんなんだこのモチベーションは…!
目論見通り大人気となり婚姻届提出者の9割が一緒に結婚証も発行していくそうです。

ちなみに「結婚証」は全9種類のデザインから選択でき、うち7種は景観写真などを使った”通常バージョン”、残り2種が”萌えキャラバージョン”となっています。

べ、別に行政オフィシャルの萌えキャラグッズを作りたかったんじゃないんだからね…!市民のみなさんに親しまれて喜ばれることが目的なんだから勘違いしないでよね!諏訪姫かわいいよ諏訪姫

その他のデザイン一覧はこちらで見ることができます。

「結婚証」無料バージョンサンプル – 長野県諏訪市公式ホームページ
http://www.city.suwa.lg.jp/open_imgs/info/0000012747.pdf

「婚姻届受理証」有料バージョンサンプル – 長野県諏訪市公式ホームページ
http://www.city.suwa.lg.jp/open_imgs/info/0000012749.pdf

 

 

3.婚姻届もネットでダウンロードする時代 東京都武蔵村山市の『ダウンロード式婚姻届』

「婚姻届」といえば通常は市町村自治体の窓口で直接貰うものです。しかし最近ではネットでダウンロード・プリントしたものに記入して窓口に提出できるタイプのものもあります。

ふたりらしさできめる!こだわりの婚姻提出用紙を作りました – 武蔵村山市HP
http://www.city.musashimurayama.lg.jp/todoke/448/008333.html

あ

武蔵村山市の婚姻届。左上と右下にワンポイントの装飾がある。

  • スタート日不明(2014/4/1から?)
  • 一部デザインされた婚姻届を提供
  • webからダウンロード/プリントして利用できる
  • 他の市町村の自治体窓口でも提出可能

忙しい人にとってネットからプリントアウトできるのは便利。しかしこれはこれで味気ないと思ってしまう微妙な人間心理…

 

4. 婚姻届もローカリズムの時代 ゼクシィの『まちキュンご当地婚姻届』

結婚を先延ばしにする適齢期カップルの男性を震え上がらせる単語として定評のある「ゼクシィ」。あまりの分厚さ・重さに「殴って人を殺せる」と噂のアノ結婚情報誌です。ちなみに発行元は泣く子も黙る「リクルート」です。

ゼクシィは毎度雑誌に謎の付録をつけることでも有名ですが、2013年12月に発売された「ゼクシィ2月号」のおまけ「ピンクの婚姻届」はこれまでの地味な婚姻届をラブリーにデザインしたものとして大変人気だったそうです。

そんなゼクシィが次に始めたのが武蔵村山市のようなダウンロードできる婚姻届を自治体横断的に取りまとめて展開する「自治体コラボのご当地婚姻届」。なんだか今回は真面目っぽい。

ダウンロードして使える!まちキュンご当地婚姻届
http://www.recruit-mp.co.jp/machi/

あ

仕事の早いリクルート社員。開始3ヶ月ですでに8つの自治体と提携してサービスを提供している。

  • 2014/7/3スタート
  • ゼクシィを発刊する株式会社リクルートマーケティングパートナーズとリクルートマーケティングパートナーズ総研が展開する「幸せ応援地域プロジェクト」との協働プロジェクト
  • 2014/10/4現在で8つの自治体(郡山市・日光市・浦安市・静岡市・大津市・出雲市・福岡市・熊本県)とコラボレーションした「ご当地婚姻届」がダウンロード・プリント可能で、実際に自治体窓口に提出することができる
  • ダウンロードできる婚姻届はそれぞれの地域色を活かしたデザインとなっている
  • ダウンロードした婚姻届は上記の自治体以外でも提出可能
  • 「手元に残せるふたりの記念用」もダウンロードできるが北海道東川町の複写式のようなものではなく、提出用とは別に「もう一枚自分たちで書く」というもの。意味ある..の…?

 

なんというか、行政というお固いところと組んでしまったためにこれまでのエキセントリックでユーモアなゼクシィプロダクトではなくなってしまった感じが個人的にちょっと残念です(アンケートに答えないとダウンロード出来ないのもちょっと面倒)。鉄鋼業が盛んな自治体とかと組んでまたドライバーセットとか作ってくれないかなぁ。

結婚情報誌「ゼクシィ」の付録がいろいろと面白すぎる – NAVERまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2134305892674436401

 

(番外編)攻め続ける行政 千葉県流山市の『恋届』

「婚姻届」ならぬ「恋届」。
流山市は、時代に合わせて柔軟な政策をどんどん打ち出している個人的に気になる自治体です。そんな流山市が2014年5月に公開された映画「百瀬、こっちむいて」の撮影地として協力したことを記念に行われた企画。
オフィシャルの書類ではないのですがネットでも話題となり個人的にツボだったので紹介。こういう「押すなよ!絶対押すなよ!」的な日本の”伝統文化”が大好物なのです。

恋届 あなたの恋が叶いますように
http://momose-movie.com/todoke/

市役所が受付を始めた「恋愛証明書」が違う方向に盛り上がりそうw – NAVERまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2139441576586179601

恋届のテザーサイト。映画のロケマップも掲載されている。

  • 2014/2/1~5/30の期間限定で実施。映画「百瀬、こっちむいて」のタイアップ企画
  • イベントウェブページから恋届けをDLし、擬似婚姻届のような感じで利用する恋愛後押し企画。「恋届」は実際に行政窓口で受付してくれる(受付印を押してもらえる)。
  • 実在の人の名前を書く以外に、アニメのキャラ名を書いて提出するネタがネットで話題に
  • 累計受け付け数が1カ月間で4千件を超え大人気に
恋届のフォーマット。「告白予定日」「出会いの場所」などの欄がある

恋届のフォーマット。「告白予定日」「出会いの場所」などの欄がある

受け付け4000件突破/恋愛後押し企画、大反響 流山市の「恋届」1カ月 – 千葉日報ウェブ
http://www.chibanippo.co.jp/news/local/184027

 

ちなみに都道府県別の婚姻届提出数は、やはり人口が多い県ほど提出数が多いみたいです。各地方がユニークな婚姻届を作成することでこのランキングが変動したりすると面白そうですね。東川町のように婚姻届をきっかけにした地元情報の発信・観光誘導は地元企業ともいろいろなコラボレーションが生まれそうで個人的にはすごくアツいと思います。まさに行政もユニークなアイデアで勝負する時代ですね。

 

追記 2014/12/8
最近新たな婚姻届ネタが開始されたようなので追記

5. 日本初(?)の婚姻届”ビジネス” 『婚姻届製作所』

可愛くデザインされた婚姻届のデータをウェブ上で販売するサービスが開始。「出るぞ出るぞ〜」と思っていたものが本当にそのままドストレートに始まってちょっとビビる。

婚姻届製作所
http://konin-todoke.com/

婚姻届製作所

かなりシンプルなウェブサイト。まさにローンチしたばかり、という感じが伝わってくる

 

  • 2014/11/22 サービススタート
  • 可愛くデザインされた婚姻届をウェブ上で選択(もちろんそのまま行政に提出できるもの)
  • ダウンロードだけなら無料(ただし正式な提出フォーマットであるA3版へのプリントは自分でやらないといけない)、有料版(12/8現在はキャンペーン中で1000円->500円)ならA3プリントされた婚姻届×2・保存用のパール紙加工婚姻届×1・補足ドキュメントが郵送で送られてくるらしい
  • デザインは「キュート」「シンプル」「エレガント」「和」などのテーマがありいろいろ選べそう。
デザイン一覧

規定のフォーマットは順守しているそうなので、かなりカラフルだがすべて窓口で受理されるらしい

有料版で一緒に送られてくる”補足ドキュメント”とは、このカラフルな婚姻届を何も知らない行政窓口の職員が無事に受理してくれるように「この婚姻届は法定に則って作成されたものですよ〜」と職員向けに説明がいろいろ書かれたものらしい。このオリジナル婚姻届提出時に一緒に窓口職員に渡すためのもの。確かにリクルートの『まちキュンご当地婚姻届』にように既に行政が承諾済みの趣旨・用紙ではないのでこういった配慮が必要ですね。(窓口職員さんは記入ミスの他にフォーマットの可否も確認する作業が必要となり面倒そうですが…)

ちなみに『婚姻届製作所』の運営は「LMNホールディングス株式会社」という東京の会社。主に「スマ婚」という結婚式をカスタマイズ・格安で提供するブライダル系サービスを提供している会社らしいです。このデザイン婚姻届販売のサービス開始に際して 「婚姻届製作所」「デザイン婚姻届」「オリジナル婚姻届」「オーダー婚姻届」「世界に一つの婚姻届」「MY婚姻届」などの商標も申請しているのでこれから力を入れてやっていきたい分野のようです。

スマ婚 一流の結婚式・挙式・披露宴を格安で
http://smakon.jp/

 

この記事をこちらのネイバーまとめにたくさん引用してもらっています

知らなかった!婚姻届の用紙は、かなり自由だった! – NAVERまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2141688789345311301

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