ysdyt.net

Aiming at the boundary between digital and analog

「決心する」価値と「意思が弱い」人を責められない構造

2011/04/02 ysdyt 0 Comments

Pocket

4月に入って新社会人になった人や、新学年が始まってやる気をみなぎらせて何か新しいことを始める人へ。

3週間もすればそのやる気はどこへやら。

すっかり腐抜ける、もしくはコンニャクの意志だと自分自身に失望する人が後を絶たないわけです。5月病の入り口にようこそ。

もしくは、感化される映画を見てモチベーションが狂ったように上がってやる気に満ちても、三日で「あの時の情熱はどこへ?」となったり。

はたまた、あれだけの悔し涙を流して「次こそは絶対に成功させる」と自分に誓ってもすぐに腐抜けた自分に戻ってしまう。

これらは本当に自分の “意志が弱い” から、“決心の度合いが足りない” ことが原因なのか?

大丈夫。

自分を責めすぎる人へ、
決して「自分が根性無しだから」ではないということをサポートするお話を紹介する。

やる気がなぜ続かないかという精神的な話を、今をときめく“生物学者”が生物学からのアプローチで理由付けしていた印象深い話。

参考になった本は今は手元にないけど、この著者の福岡伸一という先生曰く「生物には『動的平衡』という仕組みが “常に” “意識されずとも” 働いている」ということらしい。

『動的平衡』とは、例えば、人間の全身の皮膚細胞は3カ月ですべて新しいものに代謝されるが、それではあなたは3ヶ月後には「別のあなた」になっているだろうか?
もちろん3ヶ月後のあなたも「あなた」である。

別の例を言えば、砂浜に作った砂のお城が風に吹かれて表面の砂がちょっとずつ飛ばされていく。そこへ新しく吹かれてきた砂粒がお城の表面に引っかかっていっても全体としての「お城の形」には変わりがない。それでも確かに、刻一刻とお城を構成している砂粒は変わっていっている。

まとめると、『動的平衡』とは「構成する単位が変わっても(動的)、全体としての形は変わらない(平衡)」という状態を表している。

つまり、人間には「変化があっても、常に安定な一定の状態であろうとする性質」があるらしい。

これは生物にとってはものすごく重要な機能で、身近な例では、39℃の熱が出ても人間の体は自動的に平熱(安定な体温)に戻そうと働く。

怪我をして皮膚がえぐれても、骨が折れても自動的に元の状態(安定で一定な状態)に戻ろうとする。

脳の神経系に損傷を負っても、別の神経経路を使ってリカバリーしようとする。

こういう例は人体にはおそらく膨大な数で存在する。

そこでこの先生は人間の精神的な「気持ち」というのも同じではないのかと説明している。

例えば、
映画を見て興奮したり、悔し涙を流して明日への決意を打ち立てても「あ、これはいつもの平常な状態・安定な状態ではないな」と体が勝手に認識して、ありとあらゆるホルモンを放出して気持ちの高ぶりを戻そうと働く。気持ちの振れ幅(動的)を安定な状態(平常の状態)にしようとする。

昨日まで英語なんてまったく触れてなかったのに今日から突然、毎日英単語を10個づつ覚えようとして(意識しなくても)ストレスがかかる→ストレスを無くそうと(その習慣を失くさせようと)体が働き集中力を殺がしたり退屈だやめようと脳に働きかける。

引っ越しをしたり留学したりして住む場所を変えようとしても、「いつもの環境じゃないぞ、元の住み慣れた・安定した環境に戻ろう」と脳が勝手に認識して引っ越しを延期しようとする気分にさせる。

ホームシックという現象はまさにこうして起こっている。別に家族が恋しいのではなく、今までの安定した環境から馴染みのない環境に移ったから元の場所に戻ろうと体が働きかけているのだと。

つまり、
「今までの自分からもっと素敵な自分に “変わろう” というポジティブな意志」ですら、生き物なら誰もが持つ動的平衡という「生物が生きるために必要不可欠な機能(変化するものを安定な状態に戻そうとする機能)」によって阻害されている。

だから、新しく始めようと決心した習慣が続かなくてもあなたの “意志が弱い” からではない。人間は生き物の機能としてそういうふうにできている。

 

この話をどう解釈するかはその人次第だけど、少なくとも自分はこれを結構ポジティブにとっている。

なにか挫折しそうな時は「今 おれの “生き物としての機能” が毎日英単語を覚えようとしていることにストップをかけようとしてる!!!負けるかこの野郎!」と訳のわからない戦いを毎回してる。

そう考えるとチャレンジする苦痛も少しは楽にならない?

新しいことに挑む事に躊躇することはあなたの性格が向いていないからじゃない。
生き物としての機能である『動的平衡』があなたにストップサインを出しているだけ。

あなたは “たかが機能” にこれからも負け続けますか?
三日坊主もコンニャクの意志も心が弱いのも、あなたの“意思の低さ”を表すものではないのに?

何回も何回も自分に言い聞かせる意味も含めて書いているけど、人生を変える方法は3つしかないらしい。

「付き合う人を変える・物事に費やす時間配分を変える・住んでいる環境を変える」
そして一番無意味なのが「頑張ろうと “決意すること” 」

4月。

動的平衡を意識しつつまた何かを始めよう!
だって、 “新しいこと”にはきっと“楽しいこと”もいっぱいあるはずだもの

Pocket

Previous Post

Next Post

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *